カワセミ撮影のすすめ
ペンタックスistDs購入・はじめて会ったカワセミの写真
平成16年11月19日ペンタックスistDsを発売日に購入しました。購入後は近くの紅葉を写し、 清水温泉に行った時にフィルム時代から持っていたトキナーのズームセットのレンズで飛んでいるトンビを写しました。 これが結構おもしろい、デジタルなのでフィルムを気にせず撮り放題。 望遠も1.5倍の効果がある、デジタルは素人が鳥を写すには好都合ではないか。もっと他の鳥を撮ってみようと次に写したのがジョウビタキ。 その次がセキレイとメジロ。イソヒヨドリ。街中にこんなカラフルな鳥が居たんだとスズメやカラス、ハト程度しか知らなかった私にはショックでした。 他に何か良い鳥はいないかとインターネットの鳥図鑑などで探しているとカワセミなるものを発見。「これが撮りたい」。でも何処に居るのか分からない。 おそらくきれいな水の川や池に居るんだろうとカワセミ探しが始まりました。 ところが幸か不幸かすぐに吉野の津風呂湖でカワセミを見つけてしまいました。カワセミ地獄の始まりてす。 このとき使ったのがトキナーの300mmズーム(初めてのカワセミ(トリミングしています))。 しかしこれでは望遠が全然足りない。
デジスコに挑戦
ということでインターネットでテジスコなるもの知り、 キャノンパワーショットのa70を持っていたので、 これが使えそうだとフィールドスコープを探すと丁度フジヤカメラでビクセンのジオマed65-Sの中古があったので即購入。 スコープとカメラをどのように繋ぐのか、この組み合わせで大丈夫なのか、まったく分からずに購入した。 とにかく繋ぐ方法を考えなくてはとカメラとスコープを持ってホームセンターへ。 塩ビパイプのジョイントが使えそうなのでこれで試して見ることに。
自作アダプター
最初に作った自作アダプターがこれ
後に作り変えていきますが、それはまたあとで紹介します。
カメラを付けずに、スコープでピントを合わせ塩ビパイプにカメラを押し込んでオートフォーカスで写す。
という方法です。
写した写真がこちら
以前より所有していたフニャフニャ三脚のため、地震が起きたかと思うほどのブレ、それに折角導入できた鳥に三脚が思った位置で固定できない
どうもモヤッとした写真になります。
三脚が悪いのか、カメラが悪いのか、スコープが悪いのか、接続方法が悪いのか今の段階では全く特定できません。(腕はこっちへ置いといて)
やっぱり一眼レフがいい
上の結果からやっぱり一眼レフに望遠レンズが良いと手持ち300mmズームレンズの望遠をアップするためケンコーの2倍テレコンを購入。
で、撮った写真がこれ。
いまいち。
一眼レフにフィールドスコープ
デジスコ初挑戦は、あまりに問題が山積みなので、一眼レフにフィールドスコープをつないで見ることに。
カメラアダプターGとTリングを購入。さらに超安物三脚に見切りをつけ、安物三脚を購入。
写した写真がこれ
雪がちらつく状況にしてはデジスコよりは良くなった?
別の日の晴れた日の写真
ssが上がり、鳥が近くに留まってくれればかなり良い。ただレタッチしてますし、原寸の写真ではかなりブレています。
しかしファインダーはやはり暗く、ピントは合わせにくい。
デジスコに戻って
一眼レフにフィールドスコープではやはり暗いし、先のデジスコの方法ではスコープでピントを合わせ後のカメラの接続にもたつくので、
カメラの背面液晶でのピント合わせに挑戦した。
液晶画面が見辛いので角型のルーペを購入しネジを付けて輪ゴムで止める。
しかし、この方法でも合わせ辛い。
デジスコ接続あれこれ
最終的に、キャノンパワーショットa70でデジスコをする場合、塩ビジョイントにテープを巻いたものだけ接眼レンズに差込み、
カメラには専用アダプターチューブを付け、
スコープのピントを合わせてからこれを押し込んでオートフォーカスで撮る方法で写しています。
他にこのような方法も試しました。アダプターチューブにペンタックスのレンズリヤキャップで作ったものをはめ込んで、一眼レフボディにレンズを取り付けるのと同じ方法でピント合わせ後接続する方法もやってみましたが、
先の方法のほうがすばやく対応できるので使っていません。
トキナーの400mmズーム
安物300mmズームに2倍テレコンではダメ、しかし大砲は手が出ない。シグマのapoテレマクロ400mmが写りがシャープだとインターネットで知り、
「単焦点がほしい」と中古カメラサイトを巡るがない。
トキナーの400mmズームは出物があった。
このレンズ「結構評判もいいようなのでこれでいいか」と購入。
和歌山城でこの写真、これを原寸のまま切り取った写真。
やっぱり単焦点がほしい。
SIGMA 400MM/F5.6 APO TELE MACRO MF
400mmズームではどうも消化不良なので、依然、中古カメラサイトを毎日巡回していました。やっと出ました。
もちろん飛びつきました。
単焦点の効果は?この写真、これを原寸のまま切り取った写真。
これなら結構シャープに撮れそうだ。
効果絶大、鳥に近づくための新兵器
これまでの結果、カワセミを綺麗に撮るにはやはり近くから写すに勝るものはない。フィールドでカワセミを見つけても近づくと逃げられる。一箇所に座って待っていても、見事に私の居るところだけ迂回して行く。
何かカムフラージュを考えなくてはと、まずはワンタッチテントを使って見たがどうも移動などが大変だ、ビーチパラソルの周りにカーテンを吊るしてその中に入ろうか、
でも中心にパラソルの中棒がくるので邪魔になる。
と散々悩んだあげく思いついたのがこの新兵器。これなら場所移動も比較的簡単。ただ、生地の幅にもよるが後方は頭部しか隠れていない。
不安を感じながらフィールドで初挑戦。
カワセミ君お気に入りの藪の斜め前に新兵器をセット、一番近い枝まで7~8m位か。さほど待つこともなく上流側から、ピー、ピー、とカワセミの声が次第に大きく聞こえてくる。「来た!」。いよいよ通過するのかと思った時、ピピピピピピピピーと小刻みに泣きながら藪の向こう端に留まった。10mと少し。
これがその時の最初の写真(シグマ400mm)、その後こちら向きに飛び出したと思ったら急停止、なんとすぐそこでホパリング、カメラに向かって飛んで来たので、幾ら反応の悪い私でもどうにか撮ることができた。
こうして新兵器は大成功をおさめ、私は新兵器の威力により、世界が変わったような感覚に酔いしれ、この夜、妻の冷たい視線を浴びながら一人祝杯を挙げたのであった。
もちろん肴はカワセミの写真。
その後いろいろ改良し、2008.10現在のものをこちらにアップしました。
カワセミの、どアップが撮りたい
新兵器のおかげでカワセミに近づくことができるため、撮る写真の数や鮮明さが格段に向上した(原寸のうちカワセミだけ切り取ったもの)。シャッタースピードの不足で流れてしまう写真が多いが「飛びもの」もいくらか撮れた。となってくると「もっと大きく鮮明に撮りたい」と欲が出てくる。
二倍のテレコンはやはりf5.6レンズには絞り二段の暗さはキツイ、1.5倍のテレコンを買って使ってみる。鮮明さの劣化も気にならず普通に撮るなら結構扱いやすい。400mmに1.5倍テレコン、デジタルで換算すると900mm相当、しかし目標とするところは"どアップ"である。全然足りない。
スコープに一眼レフでアダプターの延長リング使うと2250mm相当となるがf値は約23という暗さ(2250mm相当の写真)(40倍接眼レンズに延長リングなし3000mm相当の写真)。ピントが合っていないのか、ブレなのか、レンズの解像度か、なかなか鮮明な写真は取れない。
このフィールドではこれ以上近づくのも無理。また、夏になり草が生い茂って河原に降りにくい。
とここでまた明るさと望遠効果では有利なデジスコが頭をもたげてくる。難点はピント合わせ。
一眼レフのようにファィンダーでピントが確認できれば。
で、調べてみると10倍ズームのファインダーは光学ではなく、液晶が多いよう。これならなんとかピントが合わせやすいかも、とカメラを探すと、キョーセラがカメラ事業撤退で finecam m410r が二万円を切る程度で売っている。ビューファインダーの画素数はかなり多い、ということで購入。
さて、あとの問題は接眼レンズであるが、先達の方々のサイトを参考にさせていただくが、私に出来そうなのはクローズアップレンズの代用のみ。選択の余地なくこの方法をとる事に。結局ヤフオクで acのno.5 四個と mcのno.10 二個を手に入れた。
いろいろ組み合わせて使ってみるが、テレ端ばかりの撮影ではやはり画像はあまい。
10倍ズームデジスコの写真
広角側と望遠端の比較の写真
ただ、ピントは意外なほど合わせやすいものになった。最終的にカメラのオートフォーカスが微調整してくれるので一眼レフのマニュアルレンズより合わせやすい。
その後、このシステムで5m位の距離からカワセミを写す機会があり、初めてテレ端でなく少し広角側で写した写真は予想外に鮮明なものでした。
ということはやっぱり近さが一番。
パランスプレート
ネットオークションでビデオ雲台付きの 3.5キロクラスの三脚が五千円弱だったので鳥の導入と固定が容易になるかと落札した。
カメラのバランスが取れていないと意味がないのでパランスプレートを購入。止めたところで固定するので大変便利になりました。
レリーズ
一眼レフで撮る時、私はレリーズを使わないでひたすら連写するのですが、高倍率でミラーアップの振動もないデジスコはレリーズが必須です。
先達の方々サイトで作り方を参考にさせて頂いた自作レリーズです。
ドリルで小さめ、すり鉢状に開けた穴にナットを叩き込むだけ。
カワセミを大きく鮮明に撮りたいという欲望とともに、飛びものを撮りたいと欲望も片一方にあります。
先の10倍ズームデジスコで広角側ならssもそこそこ上がるし、連射速度も秒3コマなので贅沢を言わなければまずまずの速さ。
しかし、残念なことにこのカメラ、マニュアルフォーカスがない。
置きピンで飛び出しなどを待つ場合ずーっとシャッターを半押ししていなければならず、一旦指を放すとまたピント合わせをしなければならない。これはかなり苦痛です。
となると「少しでも明るい一眼レフのレンズが欲しい」ということになってきます。
しかし大砲は買えない私に良いのか悪いのかペンタックスには smc pentax 500mm f4.5 という中古ならリーズナブルなマニュアルレンズがあります。
キャノンなどに比べてペンタックスのオートフォーカスのスピードはあまり評判が良くないようだし、どうせ鳥を写すのに手前の枝にフォーカスが合って難儀するだけだ。
ペンタックスが今でも販売しているレンズだから、edではないにしろそこそこの写りをするのだろうと自分に言い聞かせ、いつの間にかヤフオクで pentax 500mm をキーワードに日々検索する私がいた。
当然めでたく落札の運びとなり、3.3キロの重いレンズを担ぎまわることとなった。
教訓 留まりものは近さが重要、飛びものは反射神経が重要。
ということでこのレンズで撮った留まりものの写真です(原寸から切り取りです)。
これで飛びものが撮れる?ワルサーボイントサイト
飛びものが撮りたい。たとえば飛び出しをとる場合、私はカワセミをファインダーの一番端に置いて、あるいは全くカワセミを外して、飛ぶ瞬間を待つのですが、なかなかその緊張感が持続しません。
また、反応が遅いため殆どの写真が もぬけの殻 という状態です。そんな私でも飛びものの撮れる可能性が高いのはやはりダイブの着水点です。着水前は間に合いませんが、出てきたところは結構撮れます。
その時ファインダーを覗いていては何処へ行ったのか分かりませんので、ワルサーボイントサイトのような照準器が必要です。
最初の頃は留まって居る鳥をスコープやファインダーに導入するだけでも時間がかかり、鳥がもう居ないという状況がよくあり、スカイサーファーなどの照準器はそのためにあると思っていました。
しかし、飛びものにこそ威力を発揮するのだと分かった時、即ワルサーボイントサイトを購入。
これで大分楽になりました。
一眼レフ+フィールドスコープを見直す、太陽の力は絶大?
知人がデジスコに買ったスコープを一眼レフに繋ぐというので、写り具合の参考になればと思い、私も久々に一眼レフ+フィールドスコープで撮ってみました。
延長リングを付けると無理があるようなので、延長リングなしの20倍接眼レンズで1500mm相当。
写してビックリ、太陽の力なのか、最近風景写真までずーっとマニュアルでピント合わせしているので慣れてきたのか、分かりませんが、意外なほどシャープに写るんです。
もともと倍率を欲張らなければ、やはりこれも単焦点だからか、1500mmなら「結構写るなあ」と思っていましたが、こんなにシャープに撮れたことはありませんでした。
で、その写真
その写真②
その写真③
いずれもピクセル等倍です。600*900でトリミング。
この写真を撮っていて不思議に思ったことがあります。この写真なんですが、同じ所から撮ったもので、カワセミの留まって居る場所は、枝の先側と元側の違いはあります。 フィールドスコープ20倍接眼レンズ+デジタル一眼レフ 1000mmにデジタルなので 1500mm相当と ペンタックス 500mmに 1.5倍テレプラスで 750mm デジタルなので 1125mm相当で写したものなのですが、カワセミの姿勢もあるかも知れませんが、とても1500mmと1125mmの差には思えないのですが、こんなものでしょうか。
一眼レフ望遠レンズでデジスコ
デジスコでの撮影で、広角側は結構シャープな写真が撮れるのだが、望遠側ではスッキリしない。大きく撮れないなら一眼レフで撮るほうが良い。
原因はスコープとカメラのどちらにあるのか。その原因を探るため、また、ひょっとするとシャープな写真が撮れるかもしれないとの期待を込め、一眼レフ望遠レンズでデジスコに挑戦した。
まず、接眼レンズは 52mmクローズアップレンズの三連なので、これを望遠レンズに繋げなければならない。ボーグにパーツが販売されているが結構高い。今回もリヤキャップを使うことに。
使っていない55mmのフィルターの内径がリヤキャップの外径にはまりそうなのでそのガラスを割り、足で踏みつけ体重をかけるとキッチリとはまった。キャップの中央に穴を開け、ステップアップリングで接眼レンズと繋ぐ。
しかしこれでは遠くにしかピントか合わないのでレンズとキャップの間に接写リングを入れ調整した。
これで見える像は倒立で、カメラのレンズはフランジバックが短いので正立プリズムが使えないらしい。
しかし、鳥の導入は照準器で見るので問題ない。あとは、ファインダーを覗いての微調整とピント合わせが逆さまの世界である。
上下左右逆は少し頭が変になりそうだが、もともとカワセミのおかげでおかしくになっている頭なのでこれもたいして問題ない。
400mmと500mmのレンズに付け試し撮りしたが結果は良くない。ケラレはかなり解消されるが、今の段階ではまだ分からないがスコープの方が良いように思う。
これなら上の一眼レフ+フィールドスコープが意外なほどシャープなのも納得できる。
現在天体望遠鏡を思案中
2007年9月、天体望遠鏡ボーグ101ED購入
BORGに決めた!
野鳥撮影紆余曲折其の二 天体望遠鏡のすすめ。
前回「野鳥撮影紆余曲折」を2006年2月に掲載し、「現在天体望遠鏡を思案中」として中断していましたが、
その後少しでも鮮明な写真が撮影出来る望遠レンズ機材をと考え抜いた結果、
2007年9月にとうとう天体望遠鏡 BORG101EDを購入に踏み切りました。
天体望遠鏡「ボーグ」(BORG) はプラレールのタカラトミーの関連会社、トミーテックの天体望遠鏡のことです。
BORGの歴史(ボーグ中川氏連載コラム) 第15回 「デジボーグの楽しみ」はこちらから
このページでは撮影機材を天体望遠鏡 BORG101EDを超望遠レンズとして使用することに至った経緯を前回の「野鳥撮影紆余曲折」に引き続いて掲載しています。
その後の実際の使用感、使用法、各機材で撮影した写真(一部原寸)は次の各ページに掲載しています。
「BORGでオートフォーカス・AFボーグ」などはこちらボーグの使い方いろいろ
カワセミ、野鳥撮影でやりたいこと
まず、根本的な部分を整理しますと、私がカワセミ、野鳥撮影でやりたいことは、
・カワセミを大きく撮りたい。
・カワセミの羽毛を鮮明に撮りたい。
・カワセミのトビモノを撮りたい。
です。「鳥の居る風景」を撮りたいのではなくて、鳥そのものを撮りたいのです。
とりわけ、その中でカワセミの羽毛の鮮明な写真を撮影したいということが最重点であり、レンズに求める機能は解像力です。
afなどの機能は別に必要としません。AFは手前の枝に合焦したりと思うようになりません。
また、「トビモノ」にもホバリングや被写体までの距離があるトビモノでないととてもAFが追従しないでしょう。
ですからとにかく解像力重視の超望遠レンズの機材選択になります。もちろん予算はできるだけ少なくです。
カワセミ、野鳥撮影で今までやったこと
そして今までやったことは
望遠レンズ 400mmズーム f5.6
望遠レンズ 400mm単焦点 f5.6
望遠レンズ 500mm単焦点 f4.5
フィールドスコープ デジスコ
フィールドスコープ リレーレンズ
望遠レンズでデジスコ
です。
カメラ望遠レンズの解像度はやはりズームではなく単焦点の方が良いということで、
単焦点を中心に使ってきました。
しかし、それぞれの結果は今ひとつ納得できるものではなく、フィールドスコープでデジスコをしたり、
一眼レフに繋いだりといろいろやってみました。
以上の中で良かったものは、やはり望遠レンズの500mm単焦点 f4.5 です。
明るいレンズの実力は違います。どのような表現が的を得ているのか分かりませんが、
ピントが甘い時も甘いなりにシャープさが感じられるんです。
また、400mmのf5.6の時にはssを稼ぐためマイナスの露出補正を強くし、
レタッチで明るくしたりしていました。
また、シャープさが足りないのでレタッチでシャープを強くかけたりし、画像の劣化はひどく、
写真というより絵のようなものになってしまい、大変見苦しいものになってしまいます。
これらの点が500mm f4.5 により大幅に改善されました。
明るさとレンズ口径による解像度の効果でしょう。
しかしそれは完全にスッキリしたと言えるものではなく、どこか不満も残りました。
また、以外に良かったのがフィールドスコープを一眼レフに繋いでの解像度です。
お世辞にもジオマの評判は良いと言えませんが、周辺部を除いて意外なほどシャープに写りました。
ひょっとして500mm f4.5 より良いのではと思ったりもしましたが、明るさが障害になります。
次に、思っていたよりもがっかりしたのは、カメラレンズでのデジスコです。
シャープさを求めて手に入れた単焦点レンズです。
これをスコープ代わりに使えばシャープなデジスコ撮影ができるのではと試してみましたが結果は「あれっ、カメラレンズより望遠鏡の方が良いのか?」です。
どのレンズを使ってもフィールドスコープより良いとは思えないのです。
そのころから天体望遠鏡が非常に気になり始めました。
望遠鏡メーカーに聞くと、レンズの性能は天体望遠鏡が一番良く、次にフィールドスコープ、 そして双眼鏡の順だということでした。
また、カメラレンズは収差をとるために中央部の解像度を若干犠牲にしているということもネットを検索しているうちに知りました。
考えてみれば何枚ものレンズを使っていろいろ補正しているのですから、当然解像度は落ちるでしょう。
とは言うものの効果の程や使用感などの分からない天体望遠鏡です。
とにかく等倍でカワセミの羽毛の解像した写真のを撮影することを目的とする私には、ネットで検索しても適当な作例が見当たりません。
EDは高価だし、もし球面による歪みなどで絵が丸く写ったりしたら使えないし、
アクロマートは色収差が目立つだろうかなどいろいろ悩みながら、
どうもはっきり決めかねてここまで来ました。
しかし、やはり今の望遠レンズでは解像力という点で限界があるように思い、 部品を変えることにより融通の利く、天体望遠鏡ボーグ(BORG)を超望遠レンズとして購入することに決定しました。
最初は天体望遠鏡ボーグ(BORG)77アクロマートで始めようかとも思いましたが、今まで500mm f4.5 を使っているだけに、 やはり口径は10センチが欲しい。現行、ボーグ(BORG)101はアクロマートがないので、思い切って天体望遠鏡BORG101EDに決定しました。
また、その使い方として一眼レフに直焦点で使うことをメインに考えました。
望遠鏡の場合は通常デジスコとしての使用や接眼レンズをつけて一眼レフに繋ぐ方法がありますが、
部品を組み合わせていくボーグ(BORG)の場合、直焦点でカメラ望遠レンズと同じ使い方をする方法も使えます。
デジスコとして使う場合はボーグ(BORG)77EDの方が良いと思いますが、
デジスコは専用の接続器具が発売されるようになり、全体として高価なものになってきました。
当初のデジスコの大きな長所としての、安価に望遠撮影を実現するという魅力がなくなってきました。
逆にデジタル一眼レフも随分価格が下がりペンタックスで35mm換算で1.5倍の望遠効果があり、
オリンパスのフォーサーズにいたっては2倍の効果があります。
これらの点でやはりこれからは一眼レフに分があると思われます。
また、デジスコや接眼レンズを付けて一眼レフに繋ぐ方法も間に余計なレンズが入る他、
地上プリズムを入れないと逆像になってしまいます。
これらは間違いなく解像度にはマイナス要因だと思います。
限界分解能
レンズには限界分解能っていうのがあるらしいですね。解像力の限界こと。
レンズの口径によって変わってくるらしい。
10メートル先の限界分解能は口径65mmで0.094mmらしい。
これでいくと口径100mmで0.060mm、口径125mmで0.048mmぐらい。
20メートル先ならその倍の大きさより小さなものは解像できない。(鳥の羽毛の太さは0.05~0.2mmくらいらしい)
口径65mmで20メートル先なら0.188mmより小さいものは見分けられない。人の普通の毛髪で0.08~0.09mm。ということは20メートル先の人間の毛髪も解像できない。それなら鳥の羽毛なんて解像できるはずもない。
また、これは限界であってレンズの性能によっても変ってくるだろうし、後ろに続く中玉や後玉、ブリズムやアイピースは解像力という点ではマイナスの要因だと思います。
結局シャープな鳥の写真は精度の高い対物レンズでマイナスの要因を排除して如何に近くで撮るかということでしょうね。
それを私は正立プリズムの内臓されたジオマed65sにアイピースを付けて、その後ろにさらにコンデジのレンズ群を付け、おまけに30メートル先のカワセミを写して不満に思っていた。写るわけがない。ジオマは精一杯頑張ってくれていたんだ。
参考にさせていただいたホームページ「デジスコと分解能のお話」
直焦点ですと前玉から入った像が直接カメラの映像素子に届きます。
また、最近コンデジに直焦点でレンズをつける改造をしている方が居られます。
私にはとても出来そうにありません。
以上のことから基本的に超望遠レンズとして一眼レフで直焦点の使用とし、 焦点の距離が不足するときには専用のテレコンやカメラレンズのテレコンなどで、 画質の劣化など見ながら使っていこうと思い、天体望遠鏡ボーグ101EDに決定しました。
天体望遠鏡ボーグ101ED
以後、別ページで天体望遠鏡 borg 101edの使用感や使用法などを紹介していきたいと思います。
(2009.02.18追加)
直焦点での解像力をさらに実感させてくれたのはコレです。
ケンコーのacクローズアップレンズを望遠レンズにして写してみました。
「格安自作望遠レンズ!!?」
今までいくつかのレンズを買って悩んだことがガックリするほど、こんなもので良く写りました。
現在に至って振り返ってみますと、
まず冷静に考えて勘違いしてはいけないことは、カメラの望遠レンズは鳥を撮るため、特に鳥の羽毛を解像する為に鳥専用に設計されたものではないということです。
フィールドスコープは鳥を見るためのものです。
天体望遠鏡は星を見るためのもの。
以上の三つのうちどれが、鳥そのものを鮮明に写したい場合に適しているのか、鳥の居る風景を撮りたい場合にはどれが適しているのかということだと思います。
(2009.04.09追加)
天体望遠鏡 BORG 101EDを望遠レンズとしてカワセミ野鳥写真撮影に導入当初、カメラはペンタックスistDsを使用していました。
istDsは画素数が610万画素でその後K10D・1020万画素、K20D・1460万画素と画素数が増加することではたしてボーグの解像力が持ち応えられるのか懸念しましたが、
現在のK20D・1460万画素でも等倍で十分解像できているのみか、解像感はさらに良くなっています。
ボーグ(BORG)でカワセミ撮影
BORG(ボーグ)で撮影した高解像カワセミ写真画像。
デジボーグ(BORG)90FL、71FLその他のBORG機種で撮影したカワセミ写真です。カワセミのドアップ、トマリモノ、トビモノ、などそれぞれの写真撮影の機種ごとの向き不向きなどをまとめています。
基本的に天体望遠鏡は解像力が良いので、ボーグのどの機種を使って撮影しても解像感は得られますが、
色々なシーンに向き不向きもあるので使い分けるのがベストです。
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カワセミのドアップ、トマリモノ、トビモノ、小鳥まで対応できる機種
AFボーグで換算1275mmの超望遠撮影が可能です。
BORG 90FLでのカワセミ撮影はトマリモノ、トビモノどちらも狙えます。
もちろん撮影は三脚使用前提です。
90FLで手持ち撮影は考えない方が良いです。あまい画像を量産するだけです。
それならボーグを使う必要もなく、普通のカメラの望遠レンズを使っておけば良い話です。
BORG 90FLは案外扱いが楽なので、動きの速い小鳥でも十分に対応できます。ただしフォーカスはマイクロフォーカスを使っての話です。
500mmという長い焦点距離の機材で、伸縮幅の少ない、ピッチの細かいヘリコイドでは小鳥を追うにはうんざりします。

BORG 90FL |
|
---|---|
口径 | 90mm |
焦点距離 | 500mm |
口径比F | 5.6 |
BORG90FLで撮影したカワセミの野鳥写真画像
BORG90FLで撮影したヤマセミの野鳥写真画像
リーズナブルに高解像カワセミ、ドアップ写真を撮影できる機種
ボーグ89EDで撮影したカワセミ画像です。
600mmありますので、テレコン無しでも使える焦点距離ですので、直焦点の解像力を活かせます。
カワセミドアップ写真を狙いたいならBORG89EDが良いと思います。ただ、焦点距離が長いため最短が遠くなり大きく速い伸縮が必要ですので、DXマイクロフォーカス接眼部のような合焦装置が必要です。
伸縮幅の小さいヘリコイドやピッチの細かいものは使い物になりません。
89EDはカワセミのトビモノ撮影には向きません。BORG90FLは意外とコンパクトですが、89EDになると100mmの差なのですが、かなり長く感じます。
ブラインドに入ってもレンズが出る部分が長くなり、レンズを振るとカワセミを怖がらせてしまいます。
あと注意が必要なのは600mmになるとブレの影響が非常に大きいということです。
BORG90FLを使っている方が89EDを使ってもブレの大きさの差ははっきり感じると思います。
そのブレの影響の大きさを十分に認識して撮影に臨めば高解像のカワセミ画像をリーズナブルに撮影できる機種です。
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BORG 89ED |
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口径 | 89mm |
焦点距離 | 600mm |
口径比F | 6.7 |
レンズ構成 | 2群2枚EDアポクロマート |
コーティング | マルチコート |
BORG89EDで撮影したカワセミの野鳥写真画像
BORG89EDで撮影したヤマセミの野鳥写真画像
カワセミの三脚撮影、手持ち撮影、いずれにも対応できる軽くて扱いやすい機種
ボーグ71FLで撮影したカワセミ画像です。
ミニボーグとなっていますが一般的な400mmf5.6の望遠レンズと同じクラスのものです。
ドロチューブの操作が必要なく、ヘリコイドのみでピント合わせができるタイプですので、まったくマニュアルレンズと同じ感覚で使用できます。
私が初めてこのデジボーグ71flの試作品を見た時は、これでボーグがカメラレンズと同じになったと思いました。
ボーグを使う以前はペンタックス用の純正、トキナー、シグマの400mmf5.6の単焦点レンズ三本とペンタックスの古い500mmf4.5などを使っていました。
野鳥撮影には300mmでは短すぎる、500mm以上は強烈に高価、ということで400mmf5.6というのは手軽に使えるスペックだと思っていました。 しかし現在はペンタックス、オリンパスには400mmはなく、400mmf5.6の単焦点はキャノンのみかと思います。
そこへ今回ボーグが400mmf5.6を出したことは手軽に野鳥写真を楽しみたいユーザーに良い製品が出たと思います。
決して安くはないですが、フローライトの400mm望遠レンズがほぼ10万円(テレコンのないセット)で購入できることは望遠レンズに大きな選択肢が増えたと言えると思います。
カワセミドアップ撮影には400mmでは難しいところがありますが、高解像のトマリモノ、トビモノ、車からの撮影、歩きながらの撮影と臨機応変に対応できる機種です。
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BORG 71FL |
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口径 | 71mm |
焦点距離 | 400mm |
口径比F | 5.6 |
BORG71FLで撮影したカワセミの野鳥写真画像
BORG71FLで撮影したヤマセミの野鳥写真画像
高解像カワセミ、ドアップカワセミとも撮影できる低価格機種
ボーグ77EDで撮影したカワセミ画像です。
構造的に三脚使用の機種です。ただ、レンズが軽いた前後のバランスが後方が重くなるので、大きめのバランス調整が必要です。
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BORG 77ED |
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口径 | 77mm |
焦点距離 | 510mm |
口径比F | 6.6 |
レンズ構成 | 2群2枚EDアポクロマート |
コーティング | マルチコート |
BORG77EDⅡで撮影したカワセミの野鳥写真画像
トビモノ主体に持ち歩きたい機種、抜群の発色
ボーグ50FLで撮影したカワセミ画像です。
このレンズはF8で被写界深度が深いので、マニュアルでのピントがやや合わせ難い点がありますが、 反面、置きピンのピントが合う範囲が広く、また、レンズも非常に軽いため、トビモノの撮影に向いています。
また、このレンズ良いところは非常に発色が良い点です。
こちらのページにアップしているツバメの飛翔写真と ネットにアップされているツバメの飛翔写真を比べてもらえば分かりますが、
この手の写真は色が出難いのですがBORG50FLで撮影したものはほんとに良く発色しています。
BORG 45EDⅡともハッキリ差が出ました。
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BORG 50FL |
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口径 | 50mm |
焦点距離 | 400mm |
口径比F | 8 |
レンズ構成 | 2群2枚EDアポクロマート |
コーティング | マルチコート |
BORG50FLで撮影したカワセミの野鳥写真画像
ボーグ45EDIIで撮影したカワセミ画像です。
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鳥に近づいて長い焦点距離の機種と同じ大きさに写すことができれば、短い焦点距離の方がブレの影響が少ないため解像しやすいです。
ただ、やはり鳥に近づくのは難しいので出番は少ないです。
BORG 45EDⅡ |
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口径 | 45mm |
焦点距離 | 325mm |
口径比F | 7.2 |
レンズ構成 | 2群2枚EDアポクロマート |
コーティング | マルチコート |
重量(望遠レンズセットA) | 一式850g(テレコン180g含む) |
価格(望遠レンズセット) | 税込 61,508円(1.4倍テレコン含む) |
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BORG45EDⅡで撮影したカワセミの野鳥写真画像
ボーグ60EDで撮影したカワセミ画像です。
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BORG 60ED |
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口径 | 60mm |
焦点距離 | 350mm |
口径比F | 5.8 |
レンズ構成 | 2群2枚EDアポクロマート |
コーティング | マルチコート |
カワセミ写真を撮り始めてからの超望遠レンズなどのカワセミ野鳥撮影機材の試行錯誤です。
デジタルカメラでのカワセミなど野鳥撮影は機材さえ揃えれば、後は費用もかからず手軽に自然と親しめます。
これからカワセミ、野鳥撮影を始められる方の参考になればと思いこのページを作成しました。
このページは2006年2月に作成したものですが、その後いろいろ変遷を経ていますので、まず現在の機器構成から紹介したいと思います。
2007.09、超望遠レンズとして、天体望遠鏡 ボーグ101EDを購入しました。
接続は一眼レフに直焦点です。(カメラのマニュアルレンズと同じ使用感覚です)
2008.10、天体望遠鏡 ボーグ101ED 購入から一年を経過しましたが、その写りには非常に満足しています。
今までとは比べものにならない解像感です。カメラは現在ペンタックスK10DとオリンパスE-420を使用しています。
トップページ紀伊半島カワセミ奮戦記に原寸の作例を載せていますので是非ご覧ください。(2008.11.19)